化粧品成分辞典

AHAフルーツ酸ピーリングの効果・使い方・副作用

AHA(フルーツ酸)は、ザラついた肌をツルツルにしてくれるピーリング成分として、注目されています!具体的にはどのような成分なのか、使い方は?副作用はないのかなど…
今回は詳しくご紹介していきます。

AHA フルーツ酸とは

AHAとはα-Hydrocy acid(アルファ・ヒドロキシ・アシッド)の頭文字をとったもので、エー・エッチ・エーと読みます。

リンゴや葡萄などの発酵液に含まれることからフルーツ酸と呼ばれることもあります。

ただ実際にはフルーツよりも、穀物を発酵したグリコール酸や、牛乳を乳酸菌で発酵させた乳酸の方が、ピーリング成分としては多く使用されます。

  1. リンゴの発酵液→リンゴ酸
  2. 葡萄の発酵液→酒石酸(葡萄を乳酸菌発酵させると乳酸)
  3. 穀物(さとうきびなど)の発酵液→グリコール酸
  4. 牛乳の乳酸菌発酵液→乳酸

AHAピ-リングの効果-ふっくらツルツル透明感

ピーリング化粧品の効果

ピーリングのピールとは「剥がす」という意味。

自宅で行うピーリング化粧品は、肌のざらつきやクスミの原因となる古い角質層をピールして、ツルツルで透明感のある肌にしてくれます。

その他にも、肌の新陳代謝アップ、「毛穴の詰まり(コメド)」を取り除いてニキビを防ぐ、セラミドの産生が高まり乾燥肌が改善する、美容成分の浸透を高めるなど嬉しい効果も!

ピーリングの効果
  1. 肌がツルツル
  2. くすみが取れて透明感ある肌
  3. 毛穴の黒ずみ汚れががキレイに
  4. 毛穴の詰まりを取り除いてミキビ予防
  5. セラミドが増えてふっくら潤う(やりすぎは乾燥肌・敏感肌の原因になります。またピーリング後2~3日は乾燥することも)
  6. 美容成分の浸透が高まる(美白化粧品が効かない方にオススメ)

AHAピーリングのメカニズム(作用機序)を詳しく見る

AHAピーリング化粧品の種類と自分にあった商品の選び方

AHAピーリングの効果(強さ)と肌質の関係

肌が敏感、乾燥しやすい、ピーリング化粧品を使ったことがない、ピリピリしたくないという方は、弱いピーリング化粧品からスタートして徐々に強いものにステップアップしましょう。

ピーリングの強さは【pH(酸性度)、濃度、接触している時間、肌の状態】によって変わります。

中でもpHは重要です。pHが低いほど効果は強くなりますが、ピリピリ感や肌の赤み、皮剥けなどの副作用も強くなります

敏感肌の方や初めてピーリングする方は、下の【ピーリング化粧品を選ぶポイント】を参考にしてください。

【敏感肌、ピ-リング初心者の方が選ぶときのポイント】

pH(ペーハー)酸性度 pH7が中性。数字が大きいものを選ぶ
濃度 濃度が低いものを選ぶ(高濃度でもpHが高ければOK)
接触時間 肌に触れている時間が短いものを選ぶ(すぐに洗い流す「石鹸」は初心者向き

AHAピーリング化粧品

AHAピーリング初心者向け

タカミ タカミスキンピール

タカミスキンピールの特徴

  1. 肌をピールしないので、初心者向きに選びました。
  2. グリコール酸や乳酸を使わず、AHA含有植物エキス(サンザシエキス、ナツメ果実エキス、グレープフルーツ果実エキス、リンゴ果実エキス、オレンジ果汁、ライム果汁、レモン果汁)の力で肌の生まれ変わりを整える美容液です。
  3. さらりと水のようなテクスチャーです。
容量・価格 30mL 4,950円
容量・価格 10mL 1,000円
使い方
  1. 洗顔後、乾いた清潔な手のひらに、適量(スポイトの線の部分まで)をとります。
  2. 両手のひら全体に広げ、顔の中心から外側へお顔全体を包み込むようにやさしくなじませます。
  3. 3分後、肌にしっかりなじんで浸透したら、APSソリューション10もしくはタカミローション(化粧水)をつけてください。
全成分 水、BG、ペンチレングリコール、PCA-Na、サンザシエキス、ナツメ果実エキス、グレープフルーツ果実エキス、リンゴ果実エキス、オレンジ果汁、ライム果汁、レモン果汁、クエン酸Na、クエン酸

サンソリット スキンピールバー(ピーリング石鹸)

スキンピールバーの特徴

  1. スキンピールバーグリコール酸1%・pHは高め・洗い流す石鹸なので、肌をピールする力は弱いので初心者向けです。
  2. ティーツリーオイルがにきびを防いでくれます。
容量・価格 135g 2,500円
使い方 よく泡立ててから顔・ボディを洗ってください。
※公式サイトで推奨する「新肌パック(泡パック)」をしてもピーリング効果はありません。泡パックは、界面活性剤による肌荒れを起こす原因になります。
成分 TEA、ステアリン酸、水酸化Na、ラウリン酸、水、ミリスチン酸、グリコール酸、ティーツリー油、ココアンホジ酢酸2Na、グリセリン、パルミチン酸レチノール、エチドロン酸4Na、赤225、赤213

AHAピーリング中級者向け

デルファーマ ダーマ コンディショナー(拭き取り化粧水)

お勧めポイント

医療用ピーリングのデルファーマが開発した自宅用ピーリング化粧水です。

タカミスキンピールに、グリコール酸と乳酸、ヒアルロン酸を加えた処方で、古い角質を穏やかに取り除いてくれます。

価格も手頃す。タカミスキンピールが30mL 4,950に対し、ダーマコンディショナーは120mL 2,962円です。

容量・価格 120mL 2,963円
使い方 洗顔後、500円硬貨大を手にとり、肌になじませます。
*肌をさっぱりさせたい場合は、コットンでのふき取り使用もおすすめです。(コットンにたっぷりと含ませ、目の周りと唇を避けて顔全体をやさしくふき取る)ここに説明文を入力してください。
*AHA(フルーツ酸)の作用により、一時的にピリピリ感を伴う場合があります
成分 水、BG、ペンチレングリコール、乳酸、グリコール酸、ヒアルロン酸Na、オレンジ果汁、レモン果汁、ライム果汁、グレープフルーツ果実エキス、リンゴ果実エキス、サンザシエキス、ナツメ果実エキス、キサンタンガム、クエン酸、クエン酸Na、水酸化Na、フェノキシエタノール

AHAピーリング上級者向け

デルファーマ エピダーマジェル7(ピーリングジェル 洗い流し用)

お勧めポイント

  1. 医療用ピーリングのデルファーマが開発した、洗い流すタイプのピーリングパックです。
  2. グリコール酸、乳酸、サリチル酸を7%配合した上級者向けのピーリング化粧品です。
容量・価格 40g 2,963円
使い方 週1回
洗顔後に水気を十分にふき取り、適量(10円硬貨大)を目と口の周りを避けてなじませます。2~3分置いたあとよく洗い流してください。 その後、化粧水、クリーム等で肌を整えます。
*本品の使用前に、エンザイマジェル(角質柔軟酵素ジェル)をお使いいただくとより効果的です
成分 水、エタノール、PG、TEA、乳酸、グリコール酸、サリチル酸、酢酸トコフェロール、オレンジ果汁、レモン果汁、ライム果汁、グレープフルーツ果実エキス、リンゴ果実エキス、サンザシエキス、ナツメ果実エキス、BG、PEG-12、ヒドロキシエチルセルロース、ポリソルベート20、クエン酸、クエン酸Na、EDTA-4Na

AHAピーリングのメカニズム(作用機序)・剥離深度

この章は、主に医療機関で行うケミカルピーリングについてのお話です。

ピーリングとは

ピーリングとは皮膚を剥がすこと。専門的には剥離という言葉を使います。

ピーリングには、AHAなどのピーリング剤(酸性薬剤)を用いる「ケミカルピーリング」と酸化アルミナやスクラブ剤を用いる「物理的ピーリング」があります。スクラブやゴマージュは、物理的ピーリングの一種です。

ピーリング
ケミカルピーリング 物理的ピーリング(ダーマブレージョン・スクラブ・ゴマージュ)
AHAなどの酸性薬品を用いて皮膚を剥離する。 酸化アルミナ、スクラブ剤などを用いて物理的に皮膚を剥離する(削り落とす感じです)

今回は、ピーリングの中でもケミカルピーリングについて詳しくご紹介します。

ケミカルピーリングの作用機序

ケミカルピーリングの作用機序は、創傷治癒機転による皮膚の再生が主なもの(日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドラインより)

創傷治癒機転?何て読むの?
「そうしょう ちゆ きてん」って読むのよ
なんだか怖いけど、創傷治癒機転ってどういうこと?
小さな擦り傷や切り傷なら、自然に治るわよね?生き物には、こういった自己修復力(創傷治癒機転)があるのよ。
ケミカルピーリングは、皮膚を熟知したお医者さんの管理下で、意図的に軽度の炎症を起こして、正しい創傷治癒機転による皮膚の再生を促す治療なのよ。

創傷治癒機転の過程

  1. 出血凝固期(傷による出血を止血する時期)
  2. 炎症期(免疫機能が菌などと戦う時期)
  3. 増殖期(線維芽細胞が真皮組織を修復する時期)
  4. 再構成期(表皮細胞が表皮を再生する時期)

ピーリング化粧品:出血や炎症が起きないよう安全に作られています
医療機関のピーリング:治療目的や希望に応じて出血・炎症をおこさないマイルドなピーリングも行えます

本来のケミカルピーリングは、皮膚を熟知したお医者さんの管理下で、意図的に軽度の炎症を起こし、正しい創傷治癒機転を誘導して皮膚の再生を促す治療です。

正しい創傷治癒機転を誘導って?
ピーリング後に起こる炎症などに対するアフターケアのことよ。正しいアフターケアがないと、シミや瘢痕になってしまうの

ケミカルピーリーングは、単純に皮膚を剥離するだけでなく、アフターケアも大事なの。

自宅で行うピーリングでは、出血や炎症を伴うことはないけど、正しい使い方をしないとトラブルを起こすこともあるから注意してね。

ケミカルピーリング剤の種類・濃度と剥離深度の関係

ピーリング(Peeling)とは、「肌をピール(剥がす)」ということですが、なんでもかんでも剥がせる訳ではありません。

ピーリングによって、どれ位の皮膚を剥がせるかというのは、使うピーリング剤の「種類・濃度・pH・時間」によって異なりますが、おおむね以下の表の通りです(日本皮膚科学会 ケミカルピーリグガイドライン改変

※医療機関で行うケミカルピーリングの場合です。

剥離深度 剥離する皮膚組織 使用する薬剤
レベル1 表皮角質層 20~ 35% AHA(グリコール酸・乳酸)pH3以下
20~ 35%サリチル酸(エタノール基剤・マクロゴール基剤)
10~ 20%トリクロロ酢酸(TCA)
レベル2 表皮顆粒層から基底層の間
レベル3 表皮と真皮乳頭層の一部から全部 50~ 70% グリコール酸
35~ 50% TCA
ベーカーゴードン液
フェノール(濃度 88%以上)
レベル4 表皮と真皮乳頭層および網状層に及ぶ深さ ベーカーゴードン液
フェノール(濃度 88%以上)

AHAピーリングの剥離メカニズム

表皮の最下層にある基底層では新しい細胞が生まれ、表皮の最外層にある角質層では古い細胞が垢として剥がれ落ちています

垢となって剥がれ落ちる過程では、剥離酵素とも呼ばれるタンパク分解酵素が、角質細胞同士を接着しているデスモソームというタンパク質を分解することにより、剥離を促します。

ただ、肌の乾燥や加齢などによって、剥離酵素の働きが低下すると、デスモソームの分解が
阻害され、角質が剥離されず蓄積していきます(角質細胞の重層化)

AHAは、「デスモソームを直接的に分解する効果」と「タンパク分解酵素の働きを活性化する効果」があり、表皮を剥離します。

ピーリングQ&A よくある疑問に答えます

ピーリングは肌を溶かすから危ない?

AHAやピーリングで検索すると、ピ-リングは「肌を溶かす」というブログをみかけますが、AHAによるピーリングは肌を溶かしません。⇒AHAピーリングの剥離メカニズム

肌を溶かす効果でピーリングする成分はBHA(β-HA)のサリリル酸です。AHAとBHA、似た成分なので間違えられたんだと思います。

ただしサリチル酸は化粧品への配合量が制限されています。サリチル酸入りの化粧品で肌が溶けることはないので安心してください。